三福軒@日田市(大分県)

一期一会のワイルドラーメン


2009年05月29日(金)
日田市は大分県西部に位置する天領だった水郷の街。福岡県(うきは市&朝倉市等)や熊本県に隣接する奥まった日田盆地にある辺境の地だ。内陸にある分、遠く離れた大分市より筑後川で繋がった久留米市(福岡県)との結び付きが強い印象。よってラーメンについても久留米ラーメンの源流(三九の杉野さん)から直接流れを汲む昭和29年創業の老舗、来々軒@日田市が今尚営業している。そしてここから久留米系の白濁した豚骨ラーメンは大分県内に広がったように伝えられる。

そんな日田市で先ず紹介したいのは三福軒@日田市(大分県)。惜しまれつつ閉店してしまった上海(シャンハイ)@佐伯市と同様、「大分のラーメン」を語る上では絶対外せないお店のひとつだと思われる。

残念ながら諸事情で突然閉店してしまったけれど、獣臭プンプンの個性的なワイルド豚骨ラーメンを提供。手作り感溢れる素朴な味だけに日によって表情が異なり、正に一期一会の味だった。

飾りっ気のない店舗は三隈川(筑後川)沿いの鄙びた隈温泉旅館街やスナック等が連なる飲み屋街の近くにあり、閉店した現在でも「三福軒」の看板は残っている。

三福軒2004-7@日田市10
外観撮影 2004年07月07日(閉店前)

三福軒 【閉店】
大分県日田市川原3-34


訪問履歴
2004_07_07 ラーメン
2004_03_03 ラーメン
2004_02_25 ラーメン
2003_06_01 ラーメン
2001_06_20 ラーメン
2001_01_21 ラーメン



2004年07月07日に食べた「ラーメン」
三福軒2004-7@日田市20


店舗に近付くと、結構手前から独特の獣臭が香ってきてニヤリ。飾りっ気のない古びた店内は獣臭がプンプン立ち込める薄暗い狭めの空間で、昭和がそのまま残っているような貴重な場所。席はカウンターのみで、カウンター自体が少し手前に傾いていた。配膳されたラーメン画像をみると、注がれたスープが手前に少し傾いていることが分かるだろう。

見た目通り、素朴なワイルド白濁豚骨ラーメン。ぶわんと獣臭が襲い、表面に抽出物が妖しく浮遊する。粘度や過剰な脂はなく、しっかり出汁が効いた力強い味わい。醤油ダレや調味料で上手に旨みが膨らんでいる感じ。後味にややエグみがあり、熟成が進んだようなヒネたクセがあった。麺はストレートの中麺で、ネギと海苔が添えられたシンプルなラーメン。

個人的にこれほどワイルドな突き抜けた味を大分県内で食べられていたことは大変ありがたかった。しかし、諸事情で突然閉店していまい、誠に残念。いつでも食べられると思っていた分、失ってから改めてその存在の貴重さを実感することとなった。


2004年03月03日に食べたラーメン画像
三福軒2004-3@日田市20
三福軒2004-3@日田市10


2003年06月01日に食べたラーメン画像
三福軒2003@日田市20
三福軒2003@日田市21